エンタメ契約の世界

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秘密保持契約書関連のご質問1 収入印紙を貼る必要はありますか

せっかく秘密保持契約書関連のことを書いていたので、引き続き秘密保持契約書関連ということで、これまで秘密保持契約書に関してお受けしてご質問やご相談内容を、守秘義務に違反しない範囲で少し書いてみようと思います。


まず第一回は、秘密保持契約書に収入印紙を貼る必要があるかどうか、ですね。


秘密保持契約書を締結することに慣れているお方からはこのようなご質問を受けることはありませんが、はじめて秘密保持契約書を締結されるという場合、まあ特にフリーランスになってはじめての秘密保持契約書というような場合に、このようなご質問をお受けすることがあります。


ネットで検索しても割とすぐに答えは出てくるのですが、結論としては、収入印紙を貼る必要はありません。


秘密保持契約書に限らず、その他の契約書でもそうなのですが、全ての契約書が収入印紙を貼る対象なのではなく、印紙税法という法律で定められた文書のみが収入印紙を貼る対象となります。


収入印紙を貼る必要のあるものとは、契約書関係ですと、1号~7号に類型化されていて、この1号~7号に該当する契約書が収入印紙の必要な文書ということになります。尚、「契約書」という名称であるかどうかは収入印紙の対象となるかどうかには一切関係がなく、覚書、同意書、合意書といったものも1号~7号に該当するのであれば収入印紙を貼る必要があります。


よって、契約書というタイトルにしなければ収入印紙を貼る必要がないという情報があるのだとすれば、それは間違いです。ちなみに、契約書のタイトルは収入印紙を貼る必要があるかどうかの判断には一切関係がありません。契約書の中身でもって判断します。よって、万一秘密保持契約書というタイトルなのに、中身が業務委託契約であるのならば、それは収入印紙を貼る必要がある文書になってしまいます(2号 or 7号に該当)。


で、今回の秘密保持契約書でいうと、上記の1号~7号に該当しない文書となります。秘密保持契約書の内容によって1号~7号の文書に成り得るかといいますと、おそらく成り得ないのではないかと思います。私がこれまでみてきた秘密保持契約書で収入印紙を貼る必要があるような内容のものはございませんでした。


よって、一般的な秘密保持契約書のみならず、多少変わった形の秘密保持契約書であっても、おそらく収入印紙を貼る必要はないでしょう。もしそのような収入印紙を貼る必要のある秘密保持契約書があるのならば、見てみたいですね。



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