エンタメ契約の世界

芸能、アニメ、ゲーム等のエンタメに関する契約について色々と書いているブログ。

業務委託基本契約書とNDAの組み合わせ

さて、私自身が契約書の作成やチェック業務を行っているなかで、IT系の企業からお仕事を頂く機会が結構あるのですが、IT系企業の方々は取引を開始するにあたって、およそほとんどの企業が、業務委託基本契約書とNDAをその取引先と締結することが多く見受けられます。


およそIT系企業のお作法ともいえるほど、多くの企業でこうした傾向が見受けられ、もはや業界の慣習(慣例)となっているといっても差し支えないと思います。


業務委託基本契約で取引に関する大まかな条件を規定し、NDAでそうした取引で得た情報の守秘義務を規定します。業務委託基本契約は、基本契約というぐらいですので、個別契約が別に発生するのですが、個別契約は割りとライトに注文書や場合によってはメールでやり取りをする、といったこともよく見受けられます。


こうした業務委託基本契約とNDAの組み合わせが慣習化していった背景というものは分かりませんが、およそIT企業に見受けられる傾向であり、その他の業界ではここまでカッチリと業務委託基本契約とNDAを締結する、という傾向はあまりないように見受けられます。たまに、IT系企業が電子出版分野等の他業種に進出する場合、その進出先における取引先との契約もやはり業務委託基本契約とNDAという組み合わせになったりすることが見受けられます。


きちんと契約を結んでから取引を本格開始するということは、とても良いことだと思いますので、こうした傾向は良い傾向だと思いますが、こうした傾向がどのようにして慣習化していったのか、ということには興味があります。少なくとも私がこの仕事を始めた6年ほど前から既にこうした傾向が慣習化していたように思いますので、それよりもかなり前からこうした業務委託基本契約とNDAの組み合わせというものがよく存在していたのではと推測できます。


いずれ、こうした背景も調べてみたいですね。