エンタメ契約の世界

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秘密保持契約書(NDA)のチェックポイント5 事業所立ち入り調査

今回のチェックポイントは、事業所立ち入り調査条項についてです。


秘密保持契約書や個人情報の取り扱いに関する契約書等の、重要な情報の取り扱いに関する契約書では、割とよく事業所立ち入り調査についての条項が入っていることが多いです。


この条項の内容は、秘密情報や個人情報といった重要な情報を、情報の受領者が秘密保持契約や個人情報の取り扱いに関する契約の内容のとおりに適切に取り扱っているかどうかを、情報の開示者が受領者の事業所に立ち入って調査することができるといった内容のものです。


場合によっては、情報の受領者の委託先(再委託先含む)や関連会社の事業所にも立ち入って調査することができるといった内容になっていくこともあります。


いずれにせよ、この条項の趣旨としては、情報の開示者が、そうした情報を受領する者及び受領する可能性のある者の事業所に立ち入って調査することができるようにするといったものです。ですので、情報の開示者側からみた場合、割と重要な条項になりますし、この条項が抜け落ちていないかどうかがチェックポイントの一つになります。


逆に情報の受領者側からみた場合、この事業所の立ち入り調査の内容があまり厳しいものとなることは避けたいわけです。


この事業所立ち入り調査については、厳しめのものになると何ら通知をすることなくいつでも事業所に立ち入って調査し、そして改善を指示することができ、受領者はそれに従わなければならないというようなものです。


情報の開示者側であればこのぐらいの内容の方が望ましいでしょうが、受領者側からすれば、事業所への立ち入りには事前に通知は欲しいですし、できれば立ち入り調査日時や調査方法等は事前に協議をした上で決めるような感じにしたいでしょう。


ですので、情報の受領者側にたってこの条項を考えるならば、事業所への立ち入り調査に事前通知を必要とする形にし、その上で立ち入り調査日時と調査方法等は双方で協議をして決めましょう、という内容にしておくとよいでしょう。


今回もそうなのですが、秘密保持契約書は、情報を開示する場面が多い側なのか、それとも情報を受領する場面が多い側なのかでチェックポイントやその内容も異なってくるわけですので、自分自身がどちらに属するのかを毎回検討しながらチェックポイントやその内容を考える必要があるわけです。



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